砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「チナはそれでいいのか!」

初めてアムジャドに、大きな声を出された。

「……ごめん。出会ったばかりで、気持ちが付いてこれないのは、分かるんだ。」

「そんな事ない。私だって、アムジャドがどこにいても、一緒にいたいよ。でもイマードさんがここまで言うのって、何か理由があるんじゃないの?」

アムジャドは、手で顔を押さえて、顔を横に振った。

「アムジャド?」

「ごめん。今は、ごめんしか言えない。」

きっとアムジャドには秘密があって、それは私に言えない事なのね。

「ううん。気にしないで。今は、アムジャドと一緒にいられれば、それでいいから。」

「チナ……」

ふと隣を見ると、イマードさんが消えていた。

「……アムジャド。イマードさんは、ただの友人?」
< 36 / 311 >

この作品をシェア

pagetop