砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「チナ……」

「あっ、これ。約束破ったら、針千本飲まなきゃいけないのよ。」

するとアムジャドは、クスッと笑った。

「それは、破れないな。チナとの約束。」

私もクスッと笑った。

「でしょう?」

私がそう言うと、アムジャドは私の両手を握った。

「僕も約束しよう。国に戻ったら、何もかも話す。」

「うん。」

「何があっても、僕がチナを守る。」

「うん。」

身体がくすぐったくなる。

「そして、一生チナだけを見つめて生きると誓う。」

そしてアムジャドは、私の額に口づけをした。

「僕の国の、約束の仕方だ。」

「ありがとう。」

私はアムジャドの両手を、握り返した。

「約束を破ったら、どうなるの?」

「その必要はない。僕は、約束を破らない。」

びっくりしちゃった。
< 38 / 311 >

この作品をシェア

pagetop