砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
その時、アムジャドの指がピクッと動いた。

「チナ……」

「アムジャド!」

私はアムジャドの手を握った。

「僕は大丈夫だ。心配させた。」

「ううん。私の方こそ、守ってくれてありがとう。」

「当たり前だ。チナに何かあったら、僕は生きていけない。」

「アムジャド……」

イマードさんから責められた今、アムジャドの言葉が何よりも、私の心を癒してくれた。

「アムジャド様。」

イマードさんが、アムジャドの側に寄った。

「このような行動、今後はお控え下さい。」

「分かっている。おまえが言いたい事は。」

「本当に分かっていらっしゃるんですか?あなた様が亡くなりでもしたら、私達は……」

あの冷たいイマードさんの目に、涙が薄っすらと光った。

「一体誰を頼りに、生きていけばよいのか、分からなくなります。」
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