砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「は、はい。」

「アムジャド様とあなたは、どんな関係なのかしら。」

「どんなって……」

その時アムジャドが、私の手を掴んでくれた。

「チナは、僕の恋人だ。」

ジャミレトさんの眉が、ピクッと上がった。

「イマード。これはどういう事?」

「申し訳ございません。私の監督不行き届きで。」

「そう。」

もしかして、この人もアムジャドの恋人?

うわー。修羅場?

アムジャドの前で、そんな事したくない。

「いいわ。チナさん、ちょっとお話いいかしら。」

「何をするんだ、ジャミレト。」

アムジャドが私の手を放してくれない。

「話すなら、ここで話せ。」

「いいのですか?」

「ああ。」

アムジャドが、難しい顔をしている。

何となく分かる。

この人が、本当の恋人なんじゃないかって。
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