砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
そう言って先生は、ベンチから立ち上がって、病院に戻って行った。

先生と付き合う。

先生は私よりも、一回りも上だ。

一緒に話していて、尊敬している。

嫌いじゃない。むしろ好きだ。

でも、これは恋心じゃない。

胸が痛かった。

先生を傷つけたくなかった。

でも、先生の気持ちに応えられない自分がいた。


返事は次の日にした。

お昼休み、やっぱり一緒にサンドイッチを食べた。

「考えてくれたかな。」

「はい。」

その途端、涙が溢れた。

「なんだか、悪い返事のようだね。」

「ごめんなさい。私、先生の事尊敬しているけれど、それは恋じゃないと思う。」

そう言った途端、先生は私を抱きしめた。

「嫌いじゃなければいいんだ。俺に一旦気持ちを預けてくれないか?」
< 5 / 311 >

この作品をシェア

pagetop