砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「そんな……」

血の気が引いていくような気がした。

お互いの家が認めている婚約者だなんて、どう考えても、私に勝てる訳ないじゃない。

「チナ……違うんだ。」

「何が違うと言うの?」

「彼女は、親が決めた婚約者だ。僕が選んだ訳じゃない。」

「それでも!」

私の頭の中は、もうグチャグチャだった。

「アムジャドのご両親は、ジャミレトさんがいる限り、私を受け入れてくれないわ!」

「チナ!」

大きな声を出したアムジャドは、頭を押さえた。

それをジャミレトさんが、支える。

「チナさん。あまりアムジャド様を、興奮させないでくれる?」

「あっ……」

「そう言うところが、あなたが選ばれない理由なのよ。」

その言葉が胸にグサッと刺さって、私は病室を出て行った。
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