砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
こんなにも、私の事を愛してくれる人なんて、他にいるかしら。

「アムジャド。私ね、あなたの側にいられるように、もっと強くなりたいと思った。」

「ああ。」

「でもまだ、足りなかったみたい。婚約者がいるぐらいで、慌てたり大きな声を出したり。」

「当たり前だよ。相手を愛しているなら、当然の行動だ。僕は今回のチナを見て、本当に僕の事を愛してくれているんだと、確信したよ。」

「アムジャド!」

私はアムジャドを抱きしめた。

「ああ、チナ。今直ぐにでも、君を抱きたいよ。」

「私も、アムジャドに抱かれたい。」

その時だった。

イマードさんが、咳払いをした。

「お二人共、ここがどこだか、分かっているのですか。」

「ごめん、イマード。」

アムジャドはクスクス笑っていたけれど、私は顔を真っ赤にしていた。
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