砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「チナさん。あなたって、いつでも私の邪魔をするのね。」

ジャミレトさんは、この前の一件で、私を嫌っているらしい。

「大体あなた、私達が来なかったら、どうやって帰っていたの?」

「どうやって……タクシーで。」

「タクシー!?」

ジャミレトさんは、わざと大きな声を出した。

「アムジャド様を普通のタクシーに乗せるだなんて、何かあったらどうする気?」

「ジャミレト。いいんだ。」

アムジャドに言われ、ジャミレトさんは私に意見を言うのを止めた。

イマードさんが言うのは、こう言う事なんだ。

自分の意見を我慢して、アムジャドの言う事に従う。

ジャミレトさんは、それが出来る人。

じゃあ、私は?

自分の意見を我慢してまで、アムジャドに従う事なんて、できるのかしら。
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