砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「そうね。」

私はうんと頷いた。

「そうと決まったら、早く部屋を探そう。」

「待って。日本では部屋を借りるとなると、仕事が必要なのよ。」

「仕事?」

アムジャドは、のん気にジュースを飲んでいる。

「要するに、家賃を支払っていけるかどうか、保証がないと……」

「金か。」

「……まあ、平たく言っちゃえば。」

こんな時に言うのもなんだけど、どこかの御曹司かもしれないアムジャドには、お金の心配なんていらないでしょうね。

でも日本で、それが通じるのかしら。

「心配はするな。金はイマードに言って、手配させる。」

「手配?」

「あっ、いや。何でもない。」

もう。言葉の端々から、お金持ちの匂いがプンプンしてくるのよね。

もしどこかの御曹司だと言われても驚かないように、心構えだけはしておこう。
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