砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
アムジャドはその途端、唸りだした。

もしかして、お父さんの事業、そのまま継ぐ気なの?

「アムジャド。ごめん。そんなに考え込まないで。」

「いや。チナの言う通りだ。父の跡を継いだだけでは、皆僕に付いてきてくれるか、分からない。僕は僕で、皆を惹きつけなければ。」

よかった。なんだか、前向きにとらえてくれて。

「よし。チナ。僕はバイトするよ。」

「バイト?急すぎない?」

お坊ちゃまが急にバイトなんて、どこでするのよ!

「いや、思い立ったが吉日。探してみるよ。」

「よくそんな難しい日本語、知ってるわね。」

アムジャドは呑気に笑いながら、外をキョロキョロしている。

早速それっぽいのを、探しているのかしら。

炊きつけたのは私だけれど、本当にバイトするのかしらねぇ。
< 64 / 311 >

この作品をシェア

pagetop