砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
イマードさんは、難しい顔をして、急に立ち上がった。

「今のチナ様に出来る事は、アムジャド様の日本滞在を、楽しいモノにする事です。」

「もちろん!そのつもりです!」

私は意気込んで、返事をした。

「そして、アムジャド様が国へ帰られた後は、この事を忘れ、他の男性と幸せになって下さい。」

「はぁ?」

なにそれ。

「そんなの、できません。」

「じゃあ、どうするんですか?私達の国に来たって、結婚できるとは思えませんよ。」

イマードさんの言葉に、ため息をつく。

「イマードさん、私ね。アムジャドと結婚できなくてもいいと思っているの。」

「ほう。」

「ただアムジャドの側にいたいだけなの。それじゃあ、いけないのかな。」

イマードさんは、私を見つめている。
< 69 / 311 >

この作品をシェア

pagetop