砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
もうこんな気持ち、抱えきれない。

「ねえ、アムジャド。」

「なに?」

私は立ち止まった。

「どうした?」

「そろそろ、教えて欲しいの。アムジャドが本当は、どういう人なのか。」

アムジャドはハッとして、私から視線を反らした。

「イマードに、また何か吹き込まれたのか?」

「ううん。イマードさんは、関係ない!私が聞きたいの!」


アムジャドを頼りにしている人が、たくさんいる。

私の命を犠牲にしてでも、守らなければいけない人。

バイトもできないくらいに、高貴な身分。

一般庶民の暮らしも分からない。

そんな人って、どんな人なの?


「教えて。私、恐れずに受け止めるから。」

「チナ。」

「お願い。アムジャドとずっと一緒にいたいの。日本だけの恋人じゃあ、嫌なの。」
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