砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「チナ!」

アムジャドは、私をぎゅっと抱きしめた。

「……正直、本当の事を言えば、チナの重荷になるんじゃないかって。でも、チナは強いんだね。僕が見誤っていたのかもしれない。」

「アムジャド。私だって、本当は怖い。あなたが手の届かない人だって分かったら、私はどうすればいいのかって。」

「チナ。何があっても、俺に付いて来てって言ったよね。その気持ちは、変らない。チナは?」

「もちろん。何があってもアムジャドに付いて行きたい。」

私達は離れると、キスを交わした。

「チナ……僕はね……」

その時だった。

突然、アムジャドの携帯が鳴りだした。

「イマードからだ。ごめん、チナ。」

「ううん。」

返事は一時ストップで、アムジャドはイマードさんの電話に出た。
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