砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「イマード。僕だ。」

何となく、背中を向ける。

「えっ?命令?父上が?」

私が振り返ったら、アムジャドと目が合った。

「分かった。直ぐに行く。」

電話を切ると、アムジャドの顔が青かった。

「どうしたの?アムジャド。」

「父上から、至急帰国命令が下った。」

「帰国命令?」

只事ではない状況に、私も体が震えた。

「とにかく、イマードの元へ行くよ。」

「待って。私も行く。」

アムジャドの腕に、しがみついた。

「チナ……」

「何があっても、受け入れるって、言ったでしょう?」

アムジャドはうんと頷いた。


二人でイマードさんの元へ行くと、彼は私の姿に驚きを隠せなかった。

「こんな時にもチナ様ですか?一刻を争う一大事なんですよ?」

「チナは、僕の未来の花嫁だ。一緒に話を聞く。」
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