砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「何を言っているんですか!この状況で!」

イマードさんはかなり苛立っていた。

「一体、何があった。イマード。」

するとイマードさんは、チラッと私を見た。

「いいのですか?チナ様もいる前で。」

「ああ。言ってくれ。」

アムジャドは、私の手を握ってくれた。

「お父上が、危篤です。」

「父上が!?ああ……」

アムジャドは、頭を抱え膝を地面に着いてしまった。

「アムジャド。大丈夫?」

私はアムジャドの背中を摩ってあげた。

「こうしている間に、状況は変わって行きます。早く日本を出て、国へ戻りましょう。」

「そうだな。」

ゆっくりと立ち上がったアムジャドは、私を見つめた。

「チナ。今から言う事を、ゆっくりでいいから、受け止めて欲しい。」
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