30秒後に意味が分かるとゾッとする話
告白
【告白】
学校の外は雨が降っている。
親友のアスミは、男子にA公園に呼び出されたとかで、先に帰ってしまった。
「いいなぁ。アスミはモテて」
雨を眺めていると、
「すげぇ雨。傘ないのに…」
章先輩だ。
私はひそかに先輩に片想いしている。
「あの、よかったらこの傘使いませんか?」
思いきって声をかける。
「ほんと? でも…」
「置き傘がもう一本ありますから」
嘘をついた。本当は一本しかない。
「君、名前は?」
「アヤです」
「そっか、ありがと。これで遅れずに済む」
先輩は私の肩を叩く。
「必ず返すから!」
先輩は笑顔で手をふる。
家まで濡れて帰んなきゃいけないけど、これで私の名前、覚えてもらえたよね。