次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜
合奏前のチューニング兼休憩タイム中。
舞奈と絵美子がニヤニヤしながら私の元にやって来た。

「…なに?」
「なにじゃないでしょ!!なんかあったんでしょ?あの後!」
「見たっていってましたよ…!他の子が…」

どうやら、2人が帰ったあとの私と柊の様子が知りたいらしい。
ていうか、今やばい言葉が聞こえたような…。

「?!ちょっと待って!!絵美子、見たってどういうこと?!」
「えぇぇ…!えっと、クラの子が…話してるの聞いて…、あの…滝野くんとあぶ…危ないことを…!」

私は顔を真っ青にして周りを見た。
心無しか皆がいつもより私に注目しているような…。
今までは、柊が一方的に私にくっついて来ていたけど、私までやばいイメージがつく事になる。

「それで?どーだったの?」
「…どーだったのって、それはデマで…」

ガラッ

と、音楽室のドアが開いた。

「こんにちは!チューニングは終わったかな?」

指揮棒を持った綺麗なお兄さんが立っていた。

「初めましての人は初めまして!OBの滝野です!指揮を振ることになりました!」

滝…野?
と、周りがザワつく。私も驚いて柊を見た。
柊は私に気づくと、これまでに無いほどのドヤ顔をした。

「知ってると思うけど、ここにいる滝野柊の兄です!専門はトランペット、ドラムも叩けます!よろしくね!」

柊とは似ても似つかない爽やかイケメンだ。

「じゃあ合奏を始めようか」
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