次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜
「じゃあ、皆もうパート練習行っちゃって」
志乃先輩は、管楽器の人達に呼びかけた。
音楽室の困惑した空気は、パート練習に向かう部員たちと共に流れ出ていった。
「…意味わかんない」
「渚、大丈夫か?」
柊が私の顔を覗き込んだ。
「渚ちゃん、もうこうなったら、あの子なんて置いてっちゃうくらい練習しよ?ね?」
志乃先輩が肩に手を置く。
そうだ、恨んでいてもしょうがない。練習して、上手くなって、置いてってやる。
「…先輩、基礎練やりましょう」
「うん、やろう!柊くん!メトロノーム取って!」
「はい!」
その日の私は、恨みつらみ理不尽を発散すべく、スティックを折る勢いで叩いていたらしい。
当の私はどんな感じで叩いていたかなんて覚えていないほど熱中していた。
「でもなんでだろうね」
バス停で舞奈が問う。
「何が?」
「だってさ、中学の時もすっぽかした奴とかいたけど、そいつはすぐ追放だったじゃん」
「確かに…」
「まぁ、そいつの場合はいてもいなくても変わらないド下手の努力知らずだったけどね!」
…あれ?
もしかして、佐々木先輩が華ちゃんを許した理由って
「そういうことなんじゃ…」
口に出してから気づいた。佐々木先輩は、適当に受け流して許したとかじゃない。ちゃんとその後のことも考えてたんだ。
「え?なに?どうしたの?」
「いや、なんでもない」
私が言葉を濁すと、舞奈は不満そうにほっぺを膨らませた。
志乃先輩は、管楽器の人達に呼びかけた。
音楽室の困惑した空気は、パート練習に向かう部員たちと共に流れ出ていった。
「…意味わかんない」
「渚、大丈夫か?」
柊が私の顔を覗き込んだ。
「渚ちゃん、もうこうなったら、あの子なんて置いてっちゃうくらい練習しよ?ね?」
志乃先輩が肩に手を置く。
そうだ、恨んでいてもしょうがない。練習して、上手くなって、置いてってやる。
「…先輩、基礎練やりましょう」
「うん、やろう!柊くん!メトロノーム取って!」
「はい!」
その日の私は、恨みつらみ理不尽を発散すべく、スティックを折る勢いで叩いていたらしい。
当の私はどんな感じで叩いていたかなんて覚えていないほど熱中していた。
「でもなんでだろうね」
バス停で舞奈が問う。
「何が?」
「だってさ、中学の時もすっぽかした奴とかいたけど、そいつはすぐ追放だったじゃん」
「確かに…」
「まぁ、そいつの場合はいてもいなくても変わらないド下手の努力知らずだったけどね!」
…あれ?
もしかして、佐々木先輩が華ちゃんを許した理由って
「そういうことなんじゃ…」
口に出してから気づいた。佐々木先輩は、適当に受け流して許したとかじゃない。ちゃんとその後のことも考えてたんだ。
「え?なに?どうしたの?」
「いや、なんでもない」
私が言葉を濁すと、舞奈は不満そうにほっぺを膨らませた。