次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜
|《花山南は最高です!》


「花山南さん、準備お願いします!」

私たちは運ぶ楽器の前に立った。

「渚、大丈夫か?緊張してる?」
「え?なんで分かるの?」

柊に一瞬で緊張を見抜かれて、私は驚いた。

「なになに?渚ちゃん緊張してるの?」
「えー、珍しいー」

志乃先輩と琴乃ちゃんが私の元にやってきた。

「むぅ…」
「あ、そういえば、あっちで舞奈ちゃんたちが呼んでるよ」
「は、はい」

そっちに行くと、舞奈と絵美子と華ちゃんが喋っていた。

「あ、渚来た!」
「お待たせ、なになに?」
「絵美子が華たちのために、お守り作ってくれたって」

華ちゃんの言葉に、絵美子が何かを私の手に置いた。

「…わっ、可愛い」

シロフォンの形のストラップに、私のイニシャルが入っていた。

見ると、華ちゃんも舞奈も絵美子も、同じお守りを持っていた。

「でも1個問題があって、華たちは舞台に持ってけないじゃん?」
「あー、確かに」
「だから渚、小物台に納めてくれない?」

華ちゃんと舞奈は、お守りを渡す。
絵美子もそれに続いて渡した。

「…私が置いといちゃって、いいの?」
「あったりまえじゃん!渚は1人じゃないよって意味でもね!」
「…渚ちゃんが持っててくれたら…、それでいい…かな」

舞奈と絵美子はにこっと笑った。

「…華たちの思いも入ってるから、小物台の上に置いといて」
「華ちゃん…」

2番の学校の演奏がクライマックスに入る。

「さっ、持ち場戻って!!」
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