次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜
よく覚えてないけど…。

でもまぁ、コンクールも終わったことだし考えないとなぁ、先のこと。

「うん、考えてるよ」
「……待って、意味わかってる?」
「え?先のことでしょ?」

「はーい注目ー」

先生が前に立つ。

「コンクールお疲れ様でした!金賞には及ばなかったけど、いい演奏だったよ。来年は絶対取ってやろう、返事は?」

皆は笑顔で返事をした。
先生は満足したように頷く。

「それと、テストも近いんだから、先のこと考えること!特に夏休み後の課題テストがやばかったヤツらはな」

──出た、先のこと。
ちゃんと考えよ…。

横を見ると、柊は顔を歪めていた。
もう顔に(マズい!)と書いてある。

ん?でも柊は課題テスト良かったはず。
なんでこんな顔してるんだ?

「おーい、柊、大丈夫?」
「…そういうことか…、渚、お前やっぱさっきの意味分かってないだろ」
「え?先のことって、このことでしょ?」
「やっぱり…!」

…?なんでこんなに焦ってるんだ?
やがて柊は覚悟を決めたように唾を飲んだ。

「渚!渚は俺の彼女だよね?」
「へ?う、うん」
「てことは、言い方は悪いけど、俺のものだよね?」

お、俺のもの?!
顔が熱い。
なんだその強引な言い方は!!

このままだと好きすぎて死ぬかもしれない。

「よし、それさえ確認出来ればいい!」
「は、はい…」


バスが動き出す。
皆はババ抜きや携帯ゲームなど、暇つぶしを始めた。

「渚…」
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