私の初恋の相手は狼でした。

キデスは、私を抱え窓へ向かって行く。

「え、ちょっと。」

昨日は、夢だと思っていたから、怖くなかったけど、実際ここから飛ぶと思ったら怖い。

キデスの腕から、降りようとするけど、しっかりと抱えられてる為、全然動けない。

「大丈夫だ。昨日のように大人しくしてろ。」

キデスは、私を優しく抱え直し、部屋を飛び出した。

少し顔をあげて見上げると、ギラリと光る目とピンと立った耳。

なぜか、その姿を見ても怖くなく深く安心しキデスに身を任せた。
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