初恋のゆうこさん
第十話 夢で逢えたら
裕子さん・・・
何か頭がクラクラしてきたよ
背中のみぞおちもズキンズキンと痛いし、変に体がふら付いてきて
段々目の前が暗くなって、貧血の立ち眩みかな?
立っているのがやっとでキツいよ。
意識が朦朧としてきて・・・あぁ~、とうとう目の前が真っ暗になった。
何にも見えなくなった。
僕どうしたのかなぁ・・・
あれっ、何か遠くにぼんやりと小さな明かりが霞んで見えている。
段々に明るくなって、視野が開けて来たぞ~
あ~っ、パア~っと広がったよ、目の前の辺り一面に菜の花が広がってる。
すごい、綺麗だあ~、美しいなあ~!
おかしいな、今はもう冬の始まりなのに?変だな?
それにこんなに美しいお花畑が広がってるのに周りには誰も居ないなんて。
おや、遠く向こうに誰か居る?こっちの方へ来るのかな~?
えっ?ま、まさか・・・ゆ、裕子さん??
そんな馬鹿な?だってさっき駅で見送って列車に乗って帰ったはず?
あっ、やっぱり、裕子さんだ!
「裕子さ~ん! 裕子さぁ~ん!!」
「小川く~ん!」彼女が僕を呼びながら、菜の花咲き乱れるお花畑の細い
道を駆け寄って来た。
彼女もまた中学生の少女のように・・・
澄み切った青空と遥か遠くに霞む白銀の峰々、そして辺り一面に咲き誇る
菜の花の大群落の中で、二人は再会“したかのよう”だった。
「どうしたの?さっき電車で帰ったんじゃ?僕、駅で見送ったよね?」
「だってさ、小川君、言ったじゃない、また会おうねーって」
「うん、それはそうだけど、これは夢だよね、僕は夢を見てるんだよね?
あんなに痛み出した背中のみぞおちも、いつの間にか治っていた。
「夢なんかじゃ無いわよ、だってアタシは此処に居るでしょ」
「わぁ~い、わぁ~い、僕すごく嬉しいよ~!裕子さん!!」
「うふふ、やっぱり小川君って子供みたいでカワイイ!」
「裕子さん、僕ね、菜の花が一番好きなんだ、お花畑を一緒に歩こうよ」
「ええ、いいわよ、手をつなご」
「うん!なんか照れるけど誰も居ないもんね」
「裕子さん、すごく綺麗な景色だね、遠くに白銀の山が輝いて絶景だね」
「うん、小川君って、ほんとに子供っぽいね、無邪気にはしゃいでる」
「だってさ、こんなに綺麗なお花畑を裕子さんと一緒に散歩してるんだ」
「アタシも小川君と一緒でとっても楽しいよ」
あんまり嬉しくて有頂天になってたのもあって勇気を振り絞って言った。
「あのね、裕子さん、僕ね、裕子さんの事が大好きで堪らなかったんだ」
「ありがとう、アタシも照れるじゃない、ふふふ」
「ゆ、裕子さん!裕子さんは僕の初恋の人だったんだぁー!!」
「えっ、そう~、うふふ、でもね何となく解ってたよ、小川君!」
「そっかあ、今ね、今ね、やっと僕言えたんだよ!あの時、恥ずかしくて
裕子さんに言いたくても言えなかったことが」
「ありがとう、あの頃、アタシも小川君と授業の休み時間に話してる時が
とっても楽しかったのよ」
「うん、うん、そっか、そっかぁ」
「でもごめん、その時は異性として好きとか意識して思ってなかったけど、
でも今の小川君はとっても素敵でカワイイしカッコいいよ」
「ありがとう、そう言ってもらえて、まるで夢を見てるようだよ」
「夢なんかじゃ無いってば、現にアタシは小川君の隣に居るんだよ」
「うん、裕子さん、僕、今でも裕子さんが好きだ、大好きだよ!!」
「アタシも小川君が好きだよ~!!」
「わぁ~い、ほんとに?嬉しいなぁ~!!」
のどかな時間がしばらく過ぎて行った・・・
「裕子さん、あそこのベンチに腰掛けて休もうよ、僕ね、何かとっても
疲れたんだ」
「うんいいよ、アタシがそばに居るから安心して少しお昼寝でもしたら?」
「うん、有り難う、大好きだよ!裕子さん!僕、眠くなってきたよ・・・」
「ゆっくり休んで疲れを取ってね、小川君~」
「あんまり嬉しくて・・・涙が止まらないよぉ・・・裕子さん~・・・・」
しばらくしてサイレンの音が鳴り響いていた・・・いつまでも・・・
不思議な事に彼女が乗った列車を追い掛ける様にサイレンの音も小さくなり
やがてサイレンの音は、冴え渡る冬の夜空へと掻き消えて行った。
そして一つの流れ星が一瞬に流れて消え去った。
空高く、天馬ペガサスを追い掛けるようにオリオン座が昇っていた。
純情だった少年は本当に15歳のあの頃へと戻って逝ってしまった・・・。
裕子さん・・・
何か頭がクラクラしてきたよ
背中のみぞおちもズキンズキンと痛いし、変に体がふら付いてきて
段々目の前が暗くなって、貧血の立ち眩みかな?
立っているのがやっとでキツいよ。
意識が朦朧としてきて・・・あぁ~、とうとう目の前が真っ暗になった。
何にも見えなくなった。
僕どうしたのかなぁ・・・
あれっ、何か遠くにぼんやりと小さな明かりが霞んで見えている。
段々に明るくなって、視野が開けて来たぞ~
あ~っ、パア~っと広がったよ、目の前の辺り一面に菜の花が広がってる。
すごい、綺麗だあ~、美しいなあ~!
おかしいな、今はもう冬の始まりなのに?変だな?
それにこんなに美しいお花畑が広がってるのに周りには誰も居ないなんて。
おや、遠く向こうに誰か居る?こっちの方へ来るのかな~?
えっ?ま、まさか・・・ゆ、裕子さん??
そんな馬鹿な?だってさっき駅で見送って列車に乗って帰ったはず?
あっ、やっぱり、裕子さんだ!
「裕子さ~ん! 裕子さぁ~ん!!」
「小川く~ん!」彼女が僕を呼びながら、菜の花咲き乱れるお花畑の細い
道を駆け寄って来た。
彼女もまた中学生の少女のように・・・
澄み切った青空と遥か遠くに霞む白銀の峰々、そして辺り一面に咲き誇る
菜の花の大群落の中で、二人は再会“したかのよう”だった。
「どうしたの?さっき電車で帰ったんじゃ?僕、駅で見送ったよね?」
「だってさ、小川君、言ったじゃない、また会おうねーって」
「うん、それはそうだけど、これは夢だよね、僕は夢を見てるんだよね?
あんなに痛み出した背中のみぞおちも、いつの間にか治っていた。
「夢なんかじゃ無いわよ、だってアタシは此処に居るでしょ」
「わぁ~い、わぁ~い、僕すごく嬉しいよ~!裕子さん!!」
「うふふ、やっぱり小川君って子供みたいでカワイイ!」
「裕子さん、僕ね、菜の花が一番好きなんだ、お花畑を一緒に歩こうよ」
「ええ、いいわよ、手をつなご」
「うん!なんか照れるけど誰も居ないもんね」
「裕子さん、すごく綺麗な景色だね、遠くに白銀の山が輝いて絶景だね」
「うん、小川君って、ほんとに子供っぽいね、無邪気にはしゃいでる」
「だってさ、こんなに綺麗なお花畑を裕子さんと一緒に散歩してるんだ」
「アタシも小川君と一緒でとっても楽しいよ」
あんまり嬉しくて有頂天になってたのもあって勇気を振り絞って言った。
「あのね、裕子さん、僕ね、裕子さんの事が大好きで堪らなかったんだ」
「ありがとう、アタシも照れるじゃない、ふふふ」
「ゆ、裕子さん!裕子さんは僕の初恋の人だったんだぁー!!」
「えっ、そう~、うふふ、でもね何となく解ってたよ、小川君!」
「そっかあ、今ね、今ね、やっと僕言えたんだよ!あの時、恥ずかしくて
裕子さんに言いたくても言えなかったことが」
「ありがとう、あの頃、アタシも小川君と授業の休み時間に話してる時が
とっても楽しかったのよ」
「うん、うん、そっか、そっかぁ」
「でもごめん、その時は異性として好きとか意識して思ってなかったけど、
でも今の小川君はとっても素敵でカワイイしカッコいいよ」
「ありがとう、そう言ってもらえて、まるで夢を見てるようだよ」
「夢なんかじゃ無いってば、現にアタシは小川君の隣に居るんだよ」
「うん、裕子さん、僕、今でも裕子さんが好きだ、大好きだよ!!」
「アタシも小川君が好きだよ~!!」
「わぁ~い、ほんとに?嬉しいなぁ~!!」
のどかな時間がしばらく過ぎて行った・・・
「裕子さん、あそこのベンチに腰掛けて休もうよ、僕ね、何かとっても
疲れたんだ」
「うんいいよ、アタシがそばに居るから安心して少しお昼寝でもしたら?」
「うん、有り難う、大好きだよ!裕子さん!僕、眠くなってきたよ・・・」
「ゆっくり休んで疲れを取ってね、小川君~」
「あんまり嬉しくて・・・涙が止まらないよぉ・・・裕子さん~・・・・」
しばらくしてサイレンの音が鳴り響いていた・・・いつまでも・・・
不思議な事に彼女が乗った列車を追い掛ける様にサイレンの音も小さくなり
やがてサイレンの音は、冴え渡る冬の夜空へと掻き消えて行った。
そして一つの流れ星が一瞬に流れて消え去った。
空高く、天馬ペガサスを追い掛けるようにオリオン座が昇っていた。
純情だった少年は本当に15歳のあの頃へと戻って逝ってしまった・・・。