初恋のゆうこさん
第四話 懐かしい昔話に
「テレビ番組でルーシーショーの話をよくしたね、憶えてる?」僕が聞くと
「うん、憶えてるわよ、教室でいつもしてたよね、面白い番組だったよね」
二人はまるで昨日の事のように話を始めた・・・
「僕が後ろから二番目の席で君は一番後ろの席で、いつも振り返りながら
ルーシーショーの話をして笑ったよね」
「そうよね、えっ、でも席順まで憶えてるの?凄いね!アタシは席順まで
は憶えてないわよ~」
思えば、何故あんなに番組の話で盛り上がったのか不思議なくらいだった。
今たぶん同じ番組を見たとしてもあの頃と同じ様には笑えないだろう。
て言うか、偶々に僕が彼女に「ルーシーショー見てるかい?」と聞いた時、
彼女が「うん、見てるわよ、すごく面白いよねえ~」と言ってくれたから、
だからその番組の話をすれば彼女が楽しそうに喜んでくれる、僕と彼女を
繋いでくれる共通の楽しい大切な絆の様な役割を果たしていたんだ。
そんな想いが裏打ちされていたからこそ今思うとそんなに大した笑いでも
無かったんだけど彼女と一緒に会話が弾んで笑い合えたんだろうなあ、と
そんな考えがふと過ぎった。
「あっそれから、君の髪型が何かライオンの鬣(たてがみ)みたいだと
言って僕はいつも君の事を「雌ライオン、雌ライオン」って呼んで
カラかったよね、そしたら君がさ、
「何でアタシがライオンなの~?」って不機嫌そうな顔して怒ってたよね」
「へぇ~、そんな事は記憶に残ってないわ、アタシがライオン?可笑しい」
「うん、可笑しいんだよ、だって鬣(たてがみ)は雄ライオンなのにね」
「そうだわよ、可笑しいよ、小川君、それ絶対に可笑しいって、うふふ」
でもあの頃が中学校の思い出の中で一番楽しかったのは確かだった。
その場面を思い浮かべると、眩しく輝いていた彼女が間違いなく、その時
その場所に居たのだから!
和気あいあいとした微笑ましい和やかな会話がしばらくは続いた。
教室の中の色々な出来事、クラスメイトや先生に怒られた話とか、運動会、
文化祭、写生大会や遠足、懐かしい思い出話に花が咲いて尽きなかった。
「でもね1年生の時が一番楽しかったよ!」僕は力強く主張した。
「そうね、2年、3年はあっという間で、受験勉強で一杯だったもんね」
彼女がそう言ったけど、本当はその後にもっと付け加えたい言葉が有った。
(1年生は君と同じクラスだったからだよ!2年、3年は別々だったから)
その事を真っ先に言いたかったのに・・・やっぱり言えなかった。
15歳の頃の純情で初心な少年のまま、それから僕は何も変わってなかった。
気が小さく恥ずかしがり屋でクソ真面目でお坊ちゃんだった僕は未だここに
変わらずに居るんだと、我ながらそう思えた。
今告白しないでどうするんだ!!と自分自身に言い聞かせながらも・・・。
「テレビ番組でルーシーショーの話をよくしたね、憶えてる?」僕が聞くと
「うん、憶えてるわよ、教室でいつもしてたよね、面白い番組だったよね」
二人はまるで昨日の事のように話を始めた・・・
「僕が後ろから二番目の席で君は一番後ろの席で、いつも振り返りながら
ルーシーショーの話をして笑ったよね」
「そうよね、えっ、でも席順まで憶えてるの?凄いね!アタシは席順まで
は憶えてないわよ~」
思えば、何故あんなに番組の話で盛り上がったのか不思議なくらいだった。
今たぶん同じ番組を見たとしてもあの頃と同じ様には笑えないだろう。
て言うか、偶々に僕が彼女に「ルーシーショー見てるかい?」と聞いた時、
彼女が「うん、見てるわよ、すごく面白いよねえ~」と言ってくれたから、
だからその番組の話をすれば彼女が楽しそうに喜んでくれる、僕と彼女を
繋いでくれる共通の楽しい大切な絆の様な役割を果たしていたんだ。
そんな想いが裏打ちされていたからこそ今思うとそんなに大した笑いでも
無かったんだけど彼女と一緒に会話が弾んで笑い合えたんだろうなあ、と
そんな考えがふと過ぎった。
「あっそれから、君の髪型が何かライオンの鬣(たてがみ)みたいだと
言って僕はいつも君の事を「雌ライオン、雌ライオン」って呼んで
カラかったよね、そしたら君がさ、
「何でアタシがライオンなの~?」って不機嫌そうな顔して怒ってたよね」
「へぇ~、そんな事は記憶に残ってないわ、アタシがライオン?可笑しい」
「うん、可笑しいんだよ、だって鬣(たてがみ)は雄ライオンなのにね」
「そうだわよ、可笑しいよ、小川君、それ絶対に可笑しいって、うふふ」
でもあの頃が中学校の思い出の中で一番楽しかったのは確かだった。
その場面を思い浮かべると、眩しく輝いていた彼女が間違いなく、その時
その場所に居たのだから!
和気あいあいとした微笑ましい和やかな会話がしばらくは続いた。
教室の中の色々な出来事、クラスメイトや先生に怒られた話とか、運動会、
文化祭、写生大会や遠足、懐かしい思い出話に花が咲いて尽きなかった。
「でもね1年生の時が一番楽しかったよ!」僕は力強く主張した。
「そうね、2年、3年はあっという間で、受験勉強で一杯だったもんね」
彼女がそう言ったけど、本当はその後にもっと付け加えたい言葉が有った。
(1年生は君と同じクラスだったからだよ!2年、3年は別々だったから)
その事を真っ先に言いたかったのに・・・やっぱり言えなかった。
15歳の頃の純情で初心な少年のまま、それから僕は何も変わってなかった。
気が小さく恥ずかしがり屋でクソ真面目でお坊ちゃんだった僕は未だここに
変わらずに居るんだと、我ながらそう思えた。
今告白しないでどうするんだ!!と自分自身に言い聞かせながらも・・・。