prologue


「そのうち、カフェオレを飲まれるようになって、その頃から時々ケーキも。
食べるとき、いつも幸せそうな顔をされていて、見てる僕まで幸せでした。

こんなに見てるなんて、ひいちゃいますよね。
でも、あなたを見てると、すごく幸せな気持ちになれました。



ここに通って下さり、ありがとうございました。
これ、僕個人からの卒業のお祝いに。」



彼は私に手渡してくれたのは小さなアネモネのブーケだった。
白のアネモネの中に、一輪だけ、赤いアネモネが混ざっていた。



「白のアネモネの花言葉は、期待、希望、です。
赤は、ぜひ調べてみてください。」

「ありがとうございます。すっごく嬉しいです。
調べてみますね。」



私はアネモネを見つめた。
そのかわいらしい花に笑みがこぼれた。



「こちら、お品物です。」



彼から手渡された大好きなフラッペ。
なぜか、彼の目が見れず、フラッペに視線を向ける。

でも。このまま終わってはだめだと思い、顔を上げた。


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