《続々》俺様幼馴染の溺愛包囲網(出産♡子育て編)
会計の間に興奮し疲れたのか、鉄平は寝てしまった。ベビーカーだから問題ないけど。

「はぁ…。」

結局、断りきれずカフェへ。 
最近入ったシアトル系コーヒーのお店。
でも普段、なかなか来られないから、少しワクワクする。

「私、研修医として初めて医局に来たとき、藤田先生に一目惚れしたんですよー。」

……はい?

「背の高い私より、うんと背も高くて、
イケメンで、出来る男ーって感じで。
そんな人、今までいなかったから。
もうそこから猛アタックしました!」

え、それ、奥さんの私に言っちゃう?

「あの…えーと…」

「あ、大丈夫ですから。
そのまま安心して聞いててください。」

あ、安心して?

「猛アタックしたんですけど、気付きもしないんですよ。藤田先生。
私、これでも結構モテるんですよ?
なのに。」

でしょうねぇ。可愛いもの。
いや、美人だな。

「もちろん、結婚されてるのもわかってました。結婚指輪してたし。
でも、それでも振り向かせたくて。
1年頑張ってみたんですけどね。 
そうこうするうちに、奥様が入院して来られて。
そこで悟りました。
医局で、笑顔がなくなっちゃったんです。
心配で心配で、余裕がなかったんでしょうね。
時間が許す限り、奥様の病室にいるのは、みんな知ってました。
あー、この人、奥様以外全く目に入ってないんだ、って思いました。」

亮平……そんなに心配かけてたんだ。
私の病室では、全然普通だったのに…。

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