《続々》俺様幼馴染の溺愛包囲網(出産♡子育て編)
いや、それより、結婚してるのわかってて、追いかけてたのか!すごいな、稲森先生!

「もう、今は医局で親バカぶりは有名です。
写真を飾って、いつも鉄平ちゃんの話をしてます。
でもね、それよりも……。」

それよりも?

「ふと思ったんですよ。
そんなに大切な奥様なのに、なんで写真は鉄平ちゃん1人なんだろう⁇って。
ほら、よくテレビとかで見かける、職場に飾られた写真って、奥様が子供を抱っこしてるところとかじゃないです?」

「……たしかに、そうかも。」

「聞いたんですよ。奥様の写真は?って。
そしたら、なんて言ったと思います?」

あ、なんとなくわかるような…

「『あいつの写真は誰にも見せられない。
俺の嫁は、めちゃくちゃ可愛いんだ。
誰かがうっかり惚れたら困るだろう?』

ですって。よくもまあ、ぬけぬけと。
一年も追いかけてた私に惚気るなんて!
呆れてモノも言えませんでした。」

あぁ、やっぱり……
亮平らしい…。

「出産の時も、奥様に会いに行けなかったから、どうしてもお会いしたかったんです。」
 
あー。実物見て引いてるんじゃ…。

「奥様、全く私とタイプが違う、癒し系ですよね!しかも巨乳!
これは私では太刀打ち出来ない、ってハッキリわかりました!」

きょ、巨乳……。
そこか…。

「私はスレンダーな稲森先生が羨ましいですよ。どんな服でも着こなせるでしょう?」
  
さっきから、すごく羨ましく思ってた。

「これでも形はイイって言われるんですけどね。
でもペタンコです。だから服は大抵似合います。
残念なことに。
あ、それより、稲森先生は硬いので、麗(れい)って呼んでくださいね!」

「れ、麗?」

色々突っ込みたいところだけど、テンポが早すぎる!

「ええ。私の方が年下なんですから、敬語も結構です。」

「は、はい、あ、いや、うん?」

「私も、結衣子さんって呼ばせてもらいますね!」

「あ、もちろん。」

奥様なんて、よそよそしくてヤダな、って思ってたから。

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