あやかしの集う夢の中で
(お願い、当たって!

この一撃で雪菜を倒して!)



時間的な制約の中で、愛理に二ノ矢を放つ余裕はない。



確率五分の一のギャンブルは自分の命をかけたギャンブルだ。



愛理は電撃の矢を見つめ、その矢が雪菜の額へと一直線に飛んでいくのを見つめていた。



(よし、当たる!

そのまま倒れろ!)



愛理が願いながら見つめていた電撃の矢は、雪菜の額に当たり、そして雪菜の額をすり抜けた。



愛理は自分が攻撃した相手が偽物だと知り、その直後に自分が敵の攻撃を受ける恐怖で身体中から血の気が引いていた。
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