あやかしの集う夢の中で
(あんなに強い時宗が夢妖怪にやられるなんてことがあるのかよ。

無事でいろよ、時宗。

お前はオレ以外の奴に絶対に負けちゃダメなんだよ!)



だんだんと時宗とカノンとの距離が近くなり、二人の様子がハッキリと見えてきた。



時宗は足から血を流し、苦しそうな顔をしているのが桜介にもわかった。



時宗は足に大ケガをしているが、決して死んだわけじゃない。



桜介はそれを希望に時宗のところへとたどり着き、時宗に息切れした声で話しかけていた。



「どうしたんだよ、時宗!

夢妖怪にやられたのか?

どうしてお前がケガなんかしてるんだよ!」



桜介がそう叫ぶと、時宗とカノンは桜介の存在にようやく気づき、桜介たちの方へ目を向けた。
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