あやかしの集う夢の中で
「違うんです、桜介君。
時宗君はカノンをかばうためにケガしたんです!
時宗君はとっても強いのに、カノンが時宗君の足を引っ張って……」
カノンはそう言うと、目にいっぱいの涙をためて泣き出した。
時宗が大ケガをしている理由を知った桜介たちは、次にどんな言葉をかけて良いかがわからなくて戸惑っていた。
するとそのとき、大ケガで苦しんでいる時宗が声を荒げてカノンに言った。
「泣くな、綾瀬!
泣いても状況は良くならない。
オレたちは今、自分たちにできる最善のことをするべきだ」
「自分たちにできる最善のことって……。
カノンにできることがあればいいですけど、カノンは弱くて……、役立たずで……」
「自分を低く評価するな。
夢の中の世界では思いが強い者が最強なんだ。
自分の力を信じきれ。
そうすれば綾瀬も強くなれる!」
時宗の強くて真剣な声は、必死にカノンを励ましていた。
でも、元から優しくて人との争いを好まないカノンは、誰かを倒すために強い思いを抱けない。
そのことに気づいた愛理は優しくカノンに話しかけていた。
「カノンちゃんの技は癒しの技だよね。
その技を使えば、時宗君の足のケガもきっと治るよ。
だからカノンちゃんは自分を信じきって。
自分だけが持っているすごい力が時宗君を救うんだって」
「カノンだけが持っているすごい力ですか……」
カノンは泣きはらした目を愛理に向けてそうつぶやいた。
愛理はそんなカノンに優しく言葉を繋げていた。
時宗君はカノンをかばうためにケガしたんです!
時宗君はとっても強いのに、カノンが時宗君の足を引っ張って……」
カノンはそう言うと、目にいっぱいの涙をためて泣き出した。
時宗が大ケガをしている理由を知った桜介たちは、次にどんな言葉をかけて良いかがわからなくて戸惑っていた。
するとそのとき、大ケガで苦しんでいる時宗が声を荒げてカノンに言った。
「泣くな、綾瀬!
泣いても状況は良くならない。
オレたちは今、自分たちにできる最善のことをするべきだ」
「自分たちにできる最善のことって……。
カノンにできることがあればいいですけど、カノンは弱くて……、役立たずで……」
「自分を低く評価するな。
夢の中の世界では思いが強い者が最強なんだ。
自分の力を信じきれ。
そうすれば綾瀬も強くなれる!」
時宗の強くて真剣な声は、必死にカノンを励ましていた。
でも、元から優しくて人との争いを好まないカノンは、誰かを倒すために強い思いを抱けない。
そのことに気づいた愛理は優しくカノンに話しかけていた。
「カノンちゃんの技は癒しの技だよね。
その技を使えば、時宗君の足のケガもきっと治るよ。
だからカノンちゃんは自分を信じきって。
自分だけが持っているすごい力が時宗君を救うんだって」
「カノンだけが持っているすごい力ですか……」
カノンは泣きはらした目を愛理に向けてそうつぶやいた。
愛理はそんなカノンに優しく言葉を繋げていた。