あやかしの集う夢の中で
「夢妖怪、五メートル級、今度は十五体。

今度こそ強敵だよ」



「敵の数が多いな。

だけど絶対に負けねぇぜ!」



五メートル級の夢妖怪は無双の力を持つ桜介でも倒すのに時間がかかる。



それも一度に複数の夢妖怪を倒すことは困難で、一体一体を個別に倒していくのが正攻法だ。



桜介は時間に追われる感覚の中で、自分の持てる力のすべてを出して、夢妖怪たちとの戦いに挑んでいた。



そして桜介のとなりにいる愛理も雷系の技を駆使して、強敵と向き合っていた。



(私の雷系の技は桜介の炎の技ほどの威力がない。

だから電撃シャワーのような全体攻撃は五メートル級の夢妖怪を倒せない。

一撃一撃に思い込めて、最高の技を出さなくちゃ)



愛理は自分の中にあるすべての思いを集結させて、電撃の弓を作り出した。



そして紫色の夢妖怪に的を絞り、力一杯、電撃の弓を引いていた。
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