あやかしの集う夢の中で
「あんたが夢妖怪の王だとすれば、あんたを倒せば舞ちゃんの大切な夢を救えるってことだよね。

あんたみたいなお子ちゃまに負けるような私たちじゃないからね!」



「威勢が良いな、まな板娘。

我に勝とうとはいい度胸じゃ」



「あっ、また言った!」



愛理はあやかし王の二度目のセクハラ発言に心の底から怒っていた。



そして愛理はその怒りを技に込めて、電撃の弓を手に取った。



愛理は電撃の弓の弦を力一杯、引き絞り、一撃必殺とばかりに電撃の矢を解き放った。



(電撃の矢のスピードが速い!

これならあやかし王も避けられない。

愛理の技があやかし王に直撃する!)



愛理の攻撃を見た桜介は瞬間的に愛理の技があやかし王に直撃すると思った。



そして愛理の技が直撃したら、あやかし王も無事で済むはずがないだろうと。



愛理のたくさんの思いを込めた電撃の矢はあやかし王の胸の方へとうなりをあげて迫っていた。



(よし、直撃だ!)



桜介がそう思ったその瞬間、高速で動いたあやかし王の右手が愛理が放った金色に光る矢をがっちりとつかんでいた。



桜介と愛理は予想もしていなかったこの展開に驚き、ようやくあやかし王の強さを理解し始めていた。
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