あやかしの集う夢の中で

「ウソだろ。

あんなに高くジャンプできるなんて反則だぜ」



桜介が解き放った炎の高さは五メートルはあったはずだ。



それなのにあやかし王はその巨大な炎を身軽なジャンプで飛び越えてしまった。



桜介と愛理はあやかし王の軽い身のこなしに驚いて目を丸くしていると、あやかし王は不気味に笑い、反撃体勢を整えていた。



「今度は我の番じゃな」



あやかし王は両手を頭上に掲げ、それを一気に振り下ろした。



「いでよ！

暗黒のドラゴン！」



あやかし王がそう叫ぶとあやかし王の両手から巨大な黒いドラゴンが現れた。



その大きさは幅が約三メートル、長さが約十メートルだ。



そしてその黒いドラゴンが大きく口を開き、牙をむき出しにして、桜介たちに迫っていた。