あやかしの集う夢の中で
「いけ！

スーパー大炎上！」



愛理の前に立ちはだかった桜介は巨大な黒いドラゴンに一歩も退かない構えで、真っ正面から炎の技を解き放った。



そして桜介が放った巨大な炎は巨大な黒いドラゴンを包み込んで、敵の動きをピタリと止めた。



桜介の命がけの攻撃は今までよりもさらに思いがこもっていて、周り一面を焼き尽くすほどの巨大な炎を作り出していた。



そんな光景を桜介の後ろから見ていた愛理は、胸が詰まって、思わず言葉をなくしていた。



(桜介はやっぱりこの夢の中の世界で変わったよ。

桜介が命をかけて私を助けてくれる日が来るなんて思わなかった。

私よりも背が低くて、私を頼りにしていた桜介はずっと昔の桜介だよ。

今では私が桜介を頼っている。

桜介がいてくれるから、私は敵と戦えるんだ)



巨大な黒いドラゴンは桜介の放つ炎をまともにくらいながら、目の前にいる桜介を目指して前に進もうとしているようだ。



でも、巨大な黒いドラゴンが牙をむき出しにして桜介に襲いかかろうとしたとき、ついに力尽きて、黒い煙に姿を変えた。



桜介は強敵を倒したことによろこび、後ろを振り向いて愛理に笑顔を見せていた。



今、この世界で誰よりもカッコいいヒーロー見える桜介に、愛理は素直な気持ちで爽やかな笑顔を返していた。
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