あやかしの集う夢の中で
あやかし王の足音が近づいてくるのが桜介にもわかった。



ついに年貢の納めどきだ。



最後のときは近づいている。



もしも自分の夢が叶うとしたら、モテモテの中学生活を送りたかった。



さらば、青春。



我が短き一生に悔いなし。



桜介が自分の死を覚悟したそのとき、この最悪の場面に奇跡が起きた。



巨大な鎌の刃のような風の技があやかし王の胸を切り裂いたのだ。



こんな鮮やかなスゴ技を出せる奴は一人しかいない。



あいつはこの最悪の場面に駆けつけてくれたんだ。
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