あやかしの集う夢の中で
「時宗君!」



愛理は傷を癒していたはずの仲間の名前を叫んでいた。



カノンと共に現れた時宗は、十メートル級の夢妖怪であるあやかし王に臆することなく、自信に満ち溢れた表情であやかし王と対峙していた。



「おのれ、我の体に傷をつけるとは何者じゃ!」



あやかし王の表情が怒りで満ち、目の前に現れたスラリと背が高い長髪の男をにらんでいた。



「オレの名前は風間時宗。

妖怪バスターの末裔だ!」



「妖怪バスターの末裔だと。

たかが人間の魂の分際で!」



「オレを侮るのなら、今からオレの実力を見せてやろう。

後悔するなよ、夢妖怪!」



「そのペラペラとよくしゃべる口を二度と動かなくしてくれよう。

死ね、身の程知らずの魂め!」



あやかし王はそう言うと巨大な岩のような拳を振り上げ、その拳を一気に時宗へと振り下ろした。



すさまじいスピードの巨大な拳が時宗に迫っていた。



桜介はその様子を身を固くして見守っていた。
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