あやかしの集う夢の中で
舞が住むお屋敷は外観だけでなく、中までも豪華だった。



洋風な内装はちょっとした異世界に来たような気分にさせてくれるし、絵画や壺などお屋敷を飾っているものはどれも高価そうだ。



桜介たちがお屋敷の玄関で家の中の様子を見ていると、白いブラウスに赤いスカートを着たきれいな大人の女性がやってきた。



そしてその女性は上品そうな笑みを見せると、桜介たちに話しかけた。



「こんにちは。

いつも舞がお世話になってます。

みんなでお見舞いに来てくれるなんて、舞はきっとよろこびます」



「もしかして舞ちゃんのお母さんですか？」



桜介は上品そうな笑みを浮かべるその女性に話しかけた。



「ええ、そうですよ。

私は舞の母の楓です」



「ああ、やっぱり！」



桜介は自分の予想が当たったことによろこんでいた。



この女性の上品そうな雰囲気はどことなく舞に似ている。



やっぱり親子って似るんだなぁ。



桜介がそんなことを思って、思わず微笑んでいると、となりから愛理の冷たい視線を感じて、桜介は驚いた。



どうして愛理は自分を冷たい視線で見ているのだろうと思いながら。
< 42 / 171 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop