あやかしの集う夢の中で
「ねぇ、舞ちゃん。

私たちは舞ちゃんをその夢妖怪から救うためにここに来たの。

舞ちゃんに取り憑いている夢妖怪を退治すれば、舞ちゃんはきっとまた元気になれるはずだから」



「そうです、舞ちゃん。

カノンも舞ちゃんを全力で応援してます!」



「もちろん、オレも……」



桜介はそう言うと、真剣な顔で舞を見つめていた。



「オカルト部の部長として、オカルト部のメンバーである舞ちゃんをオレは全力で守りたい。

そしてまた舞ちゃんに笑って欲しい。

オレは舞ちゃんの笑顔が好きだから」



桜介がそう言って笑うと、舞が少しだけ微笑んだ。



そして桜介と舞の良い雰囲気を察すると、愛理がすかさず桜介に突っ込んだ。



「桜介が舞ちゃんを守りたいとか言うと、下心があるように聞こえちゃう。

桜介はかわいい子に弱いスケベだから」



「何言ってんだよ。

そんなわけないだろ」



「本当に?」



「本当だよ」



「なら、いいけどさ」



愛理は桜介にそう言うと、不機嫌そうにそっぽを向いた。



愛理は自分の幼なじみだけど、いまいち愛理の気持ちはわからない。



桜介はそんなことを思いながら、また舞の方へ目線を戻した。
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