あやかしの集う夢の中で
「何か不吉な夢ですねぇ。

カノンは舞ちゃんのピアノコンクールが心配になってきました」



「本当だよね。

ピアノは舞ちゃんが一番大切にしているものなのに……」



オカルト部の変わり者のメンバーたちは本気で舞を心配していたが、舞の表情は相変わらず冴えなかった。



そんな舞を心配して、桜介が舞の不安を吹き飛ばすような明るい口調でこう言った。



「舞ちゃんの夢のことはすごく心配だけどさ、悩みすぎるのも良くないよ。

今日もみんなでお菓子を食べながら、紅茶を飲もうよ。

楽しい会話をすれば、悪い夢もきっと見なくなるはずだから」



「カノンも桜介君の意見に賛成です。

みんなでお菓子を食べたいです!」



「みんな、心配してくれてありがとう」



ずっと暗い表情だった舞がみんなの前でようやく笑った。



桜介は舞が笑ってくれてたことが、自分のことのようにうれしかった。
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