あやかしの集う夢の中で
桜介は幼い頃からずっと、愛理に言い負かされていた。



いい加減で適当な性格の桜介は愛理に叱られ続けてきたのだ。



桜介は「女って強いなぁ」と心の中でつぶやくと、気を取り直してこれからのことを考え始めた。



「舞ちゃんが寝てるときじゃないとダメなら、夜に来た方がいいのかもな。

今はちょっと無理だよ」



桜介がそう言うと、少し体調が悪そうな舞が真剣な顔でこう言った。



「あのね……。

私、今から頑張って寝てみる。

そしたらみんなが夢の中へ入れるんでしょ」



舞の突拍子もない提案に桜介は戸惑っていた。



急に寝るって言われても……。



桜介がそんなことを思っているとき、カノンが明るい笑顔を浮かべて、話し始めた。



「カノンも舞ちゃんが眠るのに協力します。

ここはカノンの出番です!」



カノンはそう言って笑っていたけど、桜介にはカノンが何をしたいのかわからなかった。
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