あやかしの集う夢の中で
「舞ちゃん、元気出してね。

舞ちゃんがもう二度と悪い夢を見ませんように」



桜介がそう言って舞に微笑みかけると、舞もつられて笑っていた。



「ありがとう、桜介君。

桜介君はいつも優しいね」



「舞ちゃん。

オレが優しいだなんて……。

オレはそれほどでも……」



愛理は舞の笑顔を見てデレッとしている桜介を見るとすぐに桜介の頬に右手を伸ばし、桜介の頬っぺたをつねっていた。



「イテテテ……。

愛理、急に何すんだよ。

オレが何かしたのかよ」



「したよ」



愛理はそう言うと、二重のパッチリとしたキレイな目で桜介の顔をのぞき込んだ。



「桜介は舞ちゃんを軟派なスケベな目で見てた!

そんな目で舞ちゃんを見たら、舞ちゃんが迷惑でしょ」



「そ、そんな……」



桜介が愛理に怒られてしょぼんとすると、オカルト部のメンバーはそれがおもしろくて、クスクスと笑い出した。
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