あやかしの集う夢の中で
舞の夢の中に入り込んで、どれだけ長い時間、夢妖怪と桜介たちは戦っていただろう。



あれほどいた敵はまばらになり、残りわずかになっていた。



そして残り百体くらいの夢妖怪たちが一斉に自分へと襲いかかってきたのを見ると、桜介はその敵を一撃で全滅させるために自分の能力に意識を集中させていた。



(残る敵はあと百体。

ようやく終わりが見えたぜ!)



桜介は右手を敵に向けてかざし、自分の強さを信じきった。



「くらえ、スーパー大炎上!」



桜介の叫び声と共に放たれた巨大な炎は一直線に敵の群れへと飛んでいった。



そして巨大な炎は敵をすべて飲み込み、一瞬で敵を燃やし尽くした。



「よし、これで全滅だ!」



そう声を上げた桜介の元に笑顔を浮かべた愛理とカノンがやってきた。



これって夢にまで見たスーパーヒーローが敵を倒し、それを祝福する美女たちが集まる夢のシーンだ。



桜介はそう思い、自分が主役になったみたいなこの世界で自分の強さに酔いしれていた。
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