あやかしの集う夢の中で
「桜介君。

カノンは桜介君を頼りにしてますよ。

一緒に夢妖怪を倒しましょう!」



いつの間にかカノンが桜介に寄り添って、桜介を励ましていた。



桜介は自分のとなりにいる背の低いカノンの笑顔につられて自分も思わず笑っていた。



いつも一ノ瀬中学で見ていたカノンもかわいいけど、ピンク色のゆるふわの髪に、胸元が開いたピンク色の着物を着ているカノンもまたかわいい。



元々の癒し系にセクシーさも加わったカノンは最強の女子なんじゃないかと、桜介は心の中で思っていた。



「桜介君、みんなで早く舞ちゃんを助けたいですね」



カノンが優しい声でそう言うと、桜介もつられて甘い声でカノンに言葉を返していた。



「そうだね、カノンちゃん。

舞ちゃんを助けるために一緒に頑張ろうね」



もしかして、自分とカノンはいい雰囲気になっているのでは?



桜介がそんなことを思っていたとき、急に来た愛理が桜介の右手を握りしめて、その手を引くように前へ前へと歩き出した。
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