青は奇跡
夏祭り
今回も例に漏れず、総合成績では上位をキープ出来ていた。
いちばんの得意科目である社会では1位、苦手な国語も何とか20人に入ることが出来た。
気付くと表の前には人だかりが出来ており、わたしは下駄箱に向かった。
遠くから表を見ていたわたしのことなんて誰も気にしていないだろう。
でも、もし誰かがわたしの様子を見ていたらと思うと恥ずかしさでどうにかなりそうなのだ。
あんな紙切れごときで自尊心を満たしている、可哀想な、痛々しい、身の程知らずな姿を見られていたなら、苦しいのだ。
家の近くまで来ると、なんだかいつもより騒がしかった。
浴衣を着た2人組の女の子、ラムネ瓶を持った男の子、お面を付けたお爺さん、法被を羽織った小学生達。
……夏祭り。
すっかり忘れていたけれど、今日と明日は夏祭りなのだ。
小さい頃は少ない友達を誘って、浴衣で夜の空の下を歩くことが楽しみだった。