青は奇跡





夏川くんはおじさんから受け取ったおたまをビニールプールの中に入れ、そっと硝子玉を掬いとった。




水からあがったいくつもの彩が、太陽の光を受けて宝石のように輝いている。





「……綺麗」





夏川くんから受け取った硝子玉をおじさんが手際よく水の入った袋に入れて手渡した。




屋台を離れると、わたしについてくるよう目で合図を送った。





「やる」


「……」


「テスト勉強を教えてもらった礼も兼ねて。

補習かからなかったし」


「……あ、ありがとう!」





受け取ってから、急に恥ずかしくなった。




これは、友達同士ですることなのか。


……恋人のやることじゃないか。




だけど、わたし達は友達ですらないのだ。




ただ、テスト勉強を教え、教わっただけの関係。




ここで会ったことも偶然だ。




いくら学校の近くとはいえ、このあたりで学校の人に会ったことはない。




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