青は奇跡
帰ったら洗濯物は乾いているかな、今日は暑いから夜ご飯は冷たいものにしようかと考えているうちに家の近くまで来た。
神社の横を通る時、耳の後ろが熱くなった気がした。
あの夏祭りの後から、ずっとそうだった。
わたしは、渇望しているのだ。
……何を?
分からない。
分からないけれど、何かを求めている。
分かりたいけれど、分かってしまったら終わってしまう気がする。
ひとつだけ、明らかなことがある。
夏川くんの存在が、わたしの中で大きくなっている。
たった一度、夏の夜を一緒に過ごしただけで。
たった1週間、勉強を一緒にしただけで。
ほんの少しの時間で、わたしはこんなにも夏川くんを忘れられない。
あの時、一瞬だけ触れた指先は思い出すだけで熱を持つ。
いったい、わたしはどうしてしまったのだろう。
夏の暑さで、どうかしてしまったのかもしれない。