青は奇跡
「本当、ごめんな」
「いいよ本当に。気にしないで」
本当に今は気にしていない。
あの日はがっかりしたけれど、河合さんと今野さんに会って楽しめたから結果的には良かったのだ。
「怒ってんの?」
「え?」
「……千鶴が、なんかあっさりしているから」
「……そんな、こと」
「あの日は具合悪くて」
「いいよ、大丈夫だから。
また遊ぼう」
その時、手をぐっと掴まれた。
え?
待って、心の準備が……。
「顔真っ赤。
これ以上はかわいそうだから止めておく。
続きはまた今度な」
「……どういう、こと」
「それはまた今度」
またいつもの無表情に戻ったけれど、その中に何か意味を含んでいる気がした。
考えているうちに手は離されており、いつの間にか教室には人が増えていた。