青は奇跡





隣を歩いていると、未だにわたしは不思議で仕方がない。




燦はそこにいるだけで人を惹きつけるくらいにキラキラしている。


太陽に愛された人って感じだ。


だから燦の周りには常に笑顔が溢れている。




決して校則通りに着ているわけでも、着崩しているわけでもないのに、燦は制服が合っている。




全身が光を発しているみたいなのだ。


今もオレンジ色の光に包まれていて、すごく神聖なものを見ているような錯覚に陥る。




一方のわたしは相変わらず、膝くらいのスカートに、校則通りの通学カバン、ふくらはぎを覆うハイソックス、鎖骨くらいの黒髪。


生徒手帳にいる女の子がそのまま出てきたんじゃないかってくらいの模範的な姿。


おまけにメガネをかけているから、いかにもって感じだ。




この見た目でこの性格だから友達が出来ないのは無理もない。




でも、燦はわたしに話しかけてくれた。




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