青は奇跡
「……何見てんだよ」
「いや、見ていたつもりは……」
「そ」
「……なんか、燦はキラキラしているよね。
わたしみたいな地味な人といるなんて、ちょっと信じられない」
最後にどう終わらせたらいいかわからず、当たり前だよね、と苦笑いしてからそのまま帰ろうとしたら腕を掴まれた。
「何言ってんだよ」
「え」
「千鶴は、俺をそういうふうに見ていたんだ?」
……燦、怒っている?
何か燦の気に障っただろうか。
わたし、失礼なこと言っちゃった?
恐る恐る見ると、燦は泣きそうな表情だった。
太陽はそこにあるのに、わたしを取り巻く空気だけは今にも雨が降りそうなくらいに重苦しいものになっていた。
「……燦?」
「千鶴は、分かっていると思っていた」
「あの、ごめんなさい」
「なんで謝るんだよ」
「だって、燦が嫌な思いしたって思ったから……」