青は奇跡






ため息だけはつかないように気をつけていたけれど、顔には出ていたらしい。




わたしはあまり表情の変化が多い方ではないからお母さんは些細な表情の変化に鋭い。





「千鶴、どうしたの」


「……なんでもない」


「千鶴がそんな顔するなんて珍しいからお母さんびっくりしたわよ」


「……そう?」


「疲れているんじゃない?

最近お母さん千鶴に家事任せっぱなしだから全然寝ていないんでしょ。

今日は休んでいなさい」


「ん、じゃあ休ませてもらうね。

おやすみ」





自分の部屋に戻るとため息が出た。




……本当、どうしたんだろう。


わたしが何かしてしまったことは確かなんだけど、その原因が分からない。




でも、あんなに怒った燦を見たのは初めてだった。




今までは冷たい刺すような目線を向けられたことはあったけれど、あんなにぞっとするような目線を向けられたことはない。





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