青は奇跡

「そんなことがあったんだ」


「うん……、わたしもどうすればいいかよく分からなくて」


「んーでも、あたしの主観だけど燦って読めないところあるよ。

高橋とかも燦のことよく分からないって言っていたし……」


「そうなんだ……」


「でも、最近ね、燦の表情が明るくなった気がするんだ。

それってちづと付き合い出してからだと思う。

だから燦は決してちづのことは嫌いになっていないよ」


「そんなこと、あるわけ……」





本当にそんなことはないと思う。




確かに燦は読めないところがたくさんあるけれど、友達にはよく笑っていた。





「そんなことあるよ！

自信持ちなよ、ちづはちょっと自分を卑下しすぎ」


「でも、自信なんて……」


「そんなにたいそれたことはしなくてもいいんじゃないかな。

強いて言うなら、もっと感情は素直に出した方がいいよ。

笑いたかったら笑って、泣きたかったら泣いていいんだよ」


「そうだね、ありがとう」